最近、雨の日が多くなりジメジメとした日が続いていますが、動物の体調管理は大丈夫でしょうか?
今回はノミ・マダニについてお話をしようと思います。
気温・湿度が高くなる6月ごろからノミ・マダニは特に活発に活動するようになり、急速に繁殖をします。
ノミは1日で20個以上の卵を産みます。
<ノミ・マダニが動物に及ぼす害>
①ノミ・マダニの吸血による皮膚炎、ノミアレルギー
②ノミはお腹の寄生虫「瓜実条虫」の運び屋
③マダニはバベシア症という治療困難な血液の病気を媒介
④ノミ・マダニが多量に寄生し吸血されることによる貧血 など
人間もノミ・マダニに噛まれると感染症を起こすことがあります。
⇒猫ひっかき病、ノミ刺咬症、日本紅斑熱、ライム病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など
SFTSはマダニが媒介するSFTSウイルスによる感染症で、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を呈し、重症化すると死亡することもあるので、マダニに噛まれた後や野山に出かけた後に熱などの症状が出たら、速やかに病院を受診してください!
<ノミ・マダニの見つけ方>
ノミは体長1~2mmで動きが早いので肉眼で見つけるのは大変です。
が!!毛や動物の寝床に小さい黒い粒を見つけたら、濡れたティッシュに乗せ赤茶色になったら・・・それは、吸血して血液を含んだノミの糞です。
マダニは吸血前は3~4mmですが吸血後は小豆程の大きさになります。
動きはノミの様に早くはなく、皮膚のやわらかい部分、耳や目の周り、足の指の間、お腹に寄生していることがあります。
マダニが皮膚にしっかりくっついている時は無理に引っ張ったりしないでください。口が皮膚に残ってしまった場合、皮膚炎になることがあるので、見つけたら病院の受診をお勧めします。
※あくまで上記の事が確認できたらノミ・マダニの存在を疑うということで、目で見て確認できなかったからいない、というわけではありませんので注意してください!!
<予防>
◎動物には定期的な予防薬(滴下タイプ・おやつタイプ・スプレータイプなどがあります。動物病院で、きちんと駆虫・予防できるものを処方してもらうことをお勧めします。)
◎布製品はマメに洗濯
◎寝床や部屋の掃除
(◎定期的なシャンプー・ブラッシング:一部の虫の駆除や発見につながります。)
(◎散歩で草むらにはなるべく入らない:予防薬のない人の場合。入る場合は肌の露出した服装を避ける。)
(◎湿度が高くならないように換気や除湿を行う)
最後に...
室内にいる動物でも、予防をしていないと散歩などで寄生されます。窓やベランダからノミが入ってくることもあります。また、意外と多いのが、人が持ち帰ってしまう事で、完全室内飼育の猫ちゃん達にノミが多量発生する事もあります。ノミ・マダニは人にも動物にも寄生し、重篤な疾患を媒介します。自分で予防する事のできない動物達には、家族がきちんと予防してあげましょう。
動物看護師 汐崎