さくらい動物クリニック

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フィラリア

少しづつ暖かくなってきて、花が咲いたり虫が出てきたりと、植物も動物も動き出しているように感じます。

 

うちの愛猫も、寒い時期はストーブやこたつで1日中丸くなっていましたが、少し前からよく遊ぶようになりました。

 

暖かくなってくると蚊も出はじめます。去年は、デング熱が発生し、蚊の媒介する病気として話題になりました。動物病院で蚊といえば、フィラリアです。

 

フィラリア症とは、蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が犬の肺動脈や心臓に寄生して起こる病気です。寄生したフィラリアにより、血液の循環がうまくいかず、最終的には心不全を起こし、死に至ります(大雑把な説明ですが...)。主な症状としては咳、疲れやすい、痩せてくる、腹水などです。まれに急性フィラリア症でひどい血尿、呼吸困難などを起こし急変することもあります。

フィラリアによって痛めつけられた心臓や血管は治療しても元の状態には戻らないと言われています。予防に勝る治療はない、とはよく言いますが、犬にとってフィラリア症の予防は最も重要な予防の1つです。簡単に予防ができる病気で犬が亡くなってしまうのは、私たちにとっても耐え難いものがあります。どんな病気も100%予防するということは難しいのですが、フィラリア症は、お薬がきちんと投与できていれば100%予防可能な病気です。

 

今治で動物病院を開業してまだ1年と少しで、患者さんも多くはない小さな病院ですが、フィラリア症に感染している、あるいはフィラリア症で亡くなってしまった犬は、割合としてはかなり多いように感じています。大阪で約6年間勤めていましたが、この1年ちょっとで、大阪での6年分以上の、何倍もの犬がフィラリア症に感染しています。フィラリア症は過去の病気になりつつあると思っていましたが、そんなことはありませんでした;。これは、予防を啓蒙していくべき私たちにも責任があるのかもしれません。フィラリア症の怖さやフィラリア予防の重要性を認識していない方に対して、きちんとお話をして、予防をしていただく責任が私たちにもあると思っております。(感染犬の頭数は正確に調べたわけではなく、あくまで私の個人的な意見です。)

 

私の実家(山奥)では水辺にもうボウフラがいるそうで、家族の希望もありうちでは4月~1月まで投与をしています。4月初めにすでに蚊に咬まれた方もいらっしゃいます。蚊の種類や環境にもよりますが、遅くても6月から、蚊がいなくなる12月まではしっかりフィラリア予防を行ってください。当院では月に1回投与する飲み薬を主に使用していますが、いくつか種類がありますので来院時にご説明させていただいております。

 

フィラリアは、フェレットにも同様に感染します。体が小さいので少数の感染でも影響が出やすいので、犬と同じように予防をしてあげてください。

 

近年は、猫の犬フィラリア感染の報告も増えてきています。本来犬に感染する寄生虫なので、犬ほど感染率は高くありませんが、症状は重篤な事が多く咳、呼吸困難、突然死などの原因になります。少し病態は違うのですが、こちらも同様に予防さえすれば感染しないので、猫にもフィラリアの予防をお勧めしています。猫には月に1回、背中に垂らすスポットタイプを使用することが多いです。改めてもう少し詳しくブログに書こうかと思っています。