さくらい動物クリニック

ご予約・お問い合せは、0898-55-8331 ホームページを見たとお知らせ下さい。〒799-1521 愛媛県今治市古国分2丁目1-3

ブログ

甘噛み

噛む、という行為は、子犬が成長していく過程では正常なことです。

 

特に、生後4~6か月頃は乳歯から永久歯に生え変わる時期でもあり、何かを噛みたいという欲求も強くなります。

本来であれば、きょうだい犬や親犬とじゃれあっているうちに噛む加減を覚えていくのですが、1頭でいる家庭犬の場合はその過程がありません。噛んで遊ぶことは子犬にとっては必要な事なので、噛んではダメ!と噛む行為すべてを否定するのではなく、噛んでもいいおもちゃを与え、噛みたい要求を満足させてあげましょう。

噛んでもいいおもちゃは、市販のものがたくさんあります。ある程度の大きさと硬さと弾力があるものがいいでしょう。歯のケアができるタイプのおもちゃもありますね。硬くて割れてしまう物だと、歯や歯茎を傷つけたり、飲み込んでしまうおそれがあります。使わなくなったタオルなどを固く縛っておもちゃにするのもいいと思いますが、普段使用しているタオルや衣類をおもちゃと混同しないように注意が必要です。こういったものを使用し、噛みたい要求を発散させてあげましょう。

 

手や足、服などを噛まれたら、すかさず、「痛い!」と大きな声で言い、遊びをストップします。噛むと相手を傷つける、遊んでくれなくなる、嫌なことがある、ということを教えます。少し大袈裟なくらいの方がいいので、噛まれて、「痛い!」と叫び、ケージに入れ、部屋から出ていってしまうという方法もあります。犬が落ち着いたらまた遊んであげてもかまいません。

徐々に、「痛い!」というタイミングを早めていきます。歯を当てそうになったところで、「痛い!」と言って手を引っ込め、遊びをストップします。こうすることで人に歯を当てること自体がいけないことと、学んでいきます。

甘噛み防止の苦味スプレーもありますので、こういったものもうまく利用してみるのもいいでしょう。

ただし、犬が噛んだ時に、口を強く押さえつけたり、拳を口の中に入れてしまうのは止めてください。人の手が怖くなり、人に触られるのが嫌いになることもありますし、かえって興奮させてしまい、ケガをしてしまう恐れもあります。トイレトレーニングやスキンシップと同様で、強引に押さえつけて恐怖心を与えてしまうのではなく、これをするといいことがある、これをするとよくないことがある(遊んでもらえない)と学習させます。

遊ぶことで、犬はいろいろなルールを覚えていきます。甘噛みも、犬は遊んでいるつもりでも人や他の犬に歯を当ててしまう事があるかもしれません。このような場合でも噛み付きの加減をわかっていれば相手にケガをさせないところで止めることができます。しかし加減がわからないままだと、相手に大けがをさせてしまう可能性もあります。これは犬ではなく、飼い主さんの責任です。